平口洋の思い/ビジョン 文字サイズ
平口洋

「消費税を上げる前に(3)」

 消費税アップを国民に理解してもらうために、「政治」がまず、どうしても果さなければならない仕事があります。議員を減らすことです。国民に大変な負担を求める一方で、政治家は一滴の血も流さない。自民党が長期政権の座からすべり落ちた背景には、そうした傲慢な姿勢があったことを、毎日のように皆さんのご意見をうかがって回りながら、ひしひしと感じています。
 衆議院は小選挙区と比例代表をやめ、中選挙区を復活させる。
 参議院は比例代表にウエイトをおく。
 そうして、定数はいずれも現在の半数程度にする——
こうした制度の実現は、単に議員の数を減らすだけでなく、議員の視野を広げ、有能な議員が選ばれる道を確保するためにも欠かせません。価値観が多様化する社会の姿を反映させるには、二大政党だけでなく少数政党も議席を得られる道を確保しておくことも必要です。
 選挙区が小さくなっただけ、議員も小粒になった、との批判をよく耳にします。議員の削減は、そうした対策も兼ねて選挙制度の見直しとして進めるべきだと思います。
 現在、「1票の格差」是正へ向けて議論が行われていますが、とても国民に納得してもらえる内容とは思えません。衆参両院の改革に、どうしても取り組まなければなりません。

(12年9月2日)

平口洋