平口洋の思い/ビジョン 文字サイズ
平口洋

「消費税を上げる前に(1)」

 消費税アップがいよいよ現実味を帯びてきました。しかし国民に大きな負担増を強いる前に、まずしなければならないことがあります。
①公務員を減らす
②官僚の「必要経費」にメスを入れる
③議員を減らす
以上の3点です。国会で行われている議論では、こうした点が抜け落ちていることが残念でなりません。
 まず公務員の削減から訴えたいと思います。公務員は国と地方で合わせて約360万人います。年間の人件費や物件費は約30兆円にのぼります。これを約200万人に抑えることができれば、現行の消費税(5%で約13兆円)を超える額を節約することが可能になります。削減は定年退職と新規採用を調整しながら数十年かけて進めれば、首を切ったりする必要はありません。人数を減らしても行政のムダも徹底的に省けば、公務員が働きすぎになることもありません。
 戦後も70年近くたちました。時代に合わなくなったり不要になったりした法律や制度が屋上屋を重ね、行政の制度や組織を必要以上に複雑にしています。これを廃止したり簡素化したりすればいいのです。こうした分野を担当する公務員は必要なくなります。同時に組織のスリム化も進めるべきでしょう。国にも地方にも、局長や課長以外に、わからない肩書の公務員が多過ぎます。
 こうした議論が抜け落ちたまま消費税をアップし、公務員が温室の中で十年ひと昔のようにマンネリ化した仕事を続け、国民の負担が増すのでは、国の行く末はどうなるのでしょうか。

(12年6月28日)

平口洋