平口洋の思い/ビジョン 文字サイズ
平口洋

「医療バス」

 「医療崩壊」とさえ呼ばれる深刻な医師不足がクローズアップされています。
 医師が姿を消した地域に暮らす人々の安心・安全を守る施策の一つとして、医師や看護師のチームを乗せたバスが地域を回る「医療バス」システムを提唱してきました。
 一人か二人の医師に看護師四、五人、それに介助人たちでチームをつくり、バスで地域を回ります。別のバスには医療器具を積み込み、さらに薬局用のバスが加わってもいいでしょう。
 そんなバスが公民館や集会所に横付けし、人々が集まる。遠くの病院まで一日かけて出向かなくてもすみます。大半の患者さんは週一回の診察でこと足りるはずです。
自宅のすぐ近くまでお医者さんが来てくれるというだけで、元気を取り戻すお年寄りがいらっしゃるかもしれません。
 医師の訪問診療は今も行われています。救急車をはじめレントゲン車や献血車が現にあるのですから、技術的な問題はないはずです。各地に診療所を建設・運営するより医師の確保も簡単で、ずっと安上がりなのは間違いありません。
 衆院の厚生労働委員として、地域医療の在り方について議論していた四年前に思いつきました。山間部や島しょ部から都市の病院へ患者を運ぶバスはときに見られますが、医療システムを患者の自宅近くへ運ぶほうが、人々の負担はずっと軽いはずだと考えたのです。
 高齢化が進むなか、一日も早く実現したいとの思いを募らせています。

(10年3月24日)

平口洋