平口洋の国政報告 文字サイズ
平口洋

TPP交渉

 TPP(環太平洋連携協定)の交渉会合がマレーシアのコタキナバルで開かれたのを受け、8月上旬に自民党本部で報告会がありました。
 会合は7月23日から3日間にわたって開かれ、うち1日をジャパンセッションにあてるなど、日本に対し非常に好意的な雰囲気だったといいます。
 注目されている「市場アクセス」(関税分野)では、まだ大切なことは全然決まっていません。少なくとも、加入が12カ国の最後になったことが日本の不利益につながるのでは、との懸念は、あてはまらないようです。
 その関税の対象は9018品目ありますが、ユニークなのが交渉の進め方です。
 最初は個別の品目には固執しないで、例えば90%とか95%とか、自由化する品目の数(割合)でまず合意し、その後に自由化しない10%とか5%とかの内容(日本にとってはコメなど)を具体的に議論します。
 厳しい守秘義務も課せられています。交渉に臨む各国の発言や経緯・思惑はすぐにはほとんど表に出てこないことでしょう。
 過去の交渉で、個別の品目から議論を始めると、収拾がつかなくなったことから学んだ新しい交渉方法だそうです。
 いずれにせよ、自由化しない品目に何を入れるかの議論で、日本の政府の政治力が問われることになります。交渉のどの段階で内容をどの程度明らかにするかも、焦点になるでしょう。  勝負はこれからです。自民党TPP対策委員会のとりまとめ担当委員として、日本が決して不利になることがないよう、全力を尽くして参ります。


平成25年8月

平口洋