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平成21年2月19日

衆議院予算委員会 第三分科会


(平口)海賊対策とテロ対策について伺います。世界の海賊に対して外務省としての取り組みをお聞かせください。

(中曽根弘文 外務大臣)沿岸各国の海賊対策能力の向上と情報共有を通じた協力が重要です。東南アジア諸国の海賊対策能力の強化を支援するため海上保安機関の能力向上のための無償資金協力や人材育成のための技術協力を行っています。情報共有については海上保安機関長官級会合を開催し連携強化に努めるとともにアジア海賊対策地域協力協定の作成および実施を主導しました。現在シンガポールに設置された情報共有センターを通じて締約国間でさまざまな協力が行われております。アジアの海賊対策に大きな役割を果たしていると考えます。

(平口)国土交通省の取り組みについてはいかがですか。

(又野己知 国土交通省 大臣官房審議官)保安庁と連携し、海事行政、外航海運行政の観点から海賊対策に取り組んでいます。具体的にはわが国固有の情報連絡体制として24時間体制で政府部内に情報伝達するあるいは他の船会社に注意喚起するということになっています。船会社自身の自主警備も重要と考えます。海事行政の観点からも東南アジアでの成功事例をソマリア周辺の諸国に伝えるためセミナー開催も行っています。

(城野功 海上保安庁 警備救護部長)東南アジア海域での海賊事件の多くは沿岸国の領海内で発生しており、各国がそれぞれの国家主権に基づき対策を実施するものですので関係国が連携して沿岸国の取り締まり能力を向上させることが重要と考えます。このため平成12年に日本で開催された海賊対策国際会議を契機とし、さまざまな対策を推進しています。JICAスキームによる研修、巡視船派遣による連携訓練、専門家の派遣、さらにはアジア海賊対策地域協力協定により設置された情報共有センターへの職員の派遣などです。

(平口)アジア海賊対策地域協力協定いわゆるReCAAPにより情報共有センター、ISCが設立され、中心的な役割を果たしてきたということですが、これらの設立の経緯と具体的な活動について伺います。

(別所浩郎 外務省 総合外交政策局長)平成13年、当時小泉総理の提案のよるもので、わが国がその作成を主導し、平成18年に発効しました。その直後シンガポールに情報共有センターが設置され活動を開始しています。海賊事案が発生した際に、このセンターを通じて締約国に関連情報が提供されます。スタッフは14人。情報の共有により、容疑者、被害者あるいは船舶の発見、逮捕、拿捕、被害者の救助などを迅速かつ円滑に進めることができます。

(平口)IMO、国際海事機関での対策について伺います。

(宮川眞喜雄 外務省 大臣官房審議官)
このたびのジブチ会合で採択された行動指針には周辺諸国が国際法および国内法に則り海賊対策のための最大限の協力を行うことが規定されています。アジア海賊対策地域協力協定の枠組みを参考にした情報共有センターも設置されます。ジブチに訓練センターを設置するためにIMO事務局長が適切な処置をとることにもなりました。

(平口)去年9月エチオピアで日本人医師の赤羽桂子さんが誘拐されソマリアで開放されました。この事件解決のために外務省がどのような努力をしたのか伺います。

(深田博史 外務省 領事局長)赤羽さんが所属する、世界の医療団という組織が主体的に対応したので外務省は側面支援をしました。現地の大使館に対策本部を設け、事件解決に資すると思われる情報を収集し、ご家族に対して随時状況を説明しました。

(平口)海賊と同じく国際テロリストの脅威として、平成13年9月1日の米国における同時多発テロが思い浮かびます。私自身の経験では13年ぐらい前に秋田県警本部長を務めていたとき、大阪でAPEC首脳会議が開催されるので秋田空港を警備するよう指令を受けたことがあります。当時から航空機によるテロを警戒していた警察庁の分析は正しかったのだと思い返しています。国内で起こる可能性があるテロに対応するため、人員配置と予算の計上、情報収集と訓練、こういったものが必要ですが、各省庁での対応を伺います。

(別所浩郎 外務省 総合外交政策局長)在外公館などで国際テロ情勢に関する情報収集を行っています。国際的な枠組みの中で日本の取り組み、あるいは邦人保護の面で政策の企画立案に応用しています。

(石井隆之 警察庁 長官官房審議官)平成16年4月に警察庁警備局に外事情報部を設置し、海外の治安機関との情報交換に努めており、各都道府県でも国内における不審人物、組織に対する情報収集を行います。テロリストの入国を防ぐために水際対策や重要施設、公共交通機関等の警戒を推進しています。

(景山和彦 公安調査庁 調査第二部長)国際テロ特別調査本部を設置し、関連情報の入手に努めています。それを必要に応じて政府関係機関に提供しております。

(高見澤將林 防衛省 防衛政策局長)重要な点は、情報収集、訓練、分析、関係省庁の連携であり、そのような体制になっていると考えております。

(城野功 海上保安庁 警備救護部長)
海上保安庁長官を本部長とする国際テロ警備本部を設置し、平成20年4月には本庁警備救難部に警備情報課を新設するなど情報収集、分析体制を強化しております。

(平口)最後に内閣官房のお考えを伺いたいと思います。

(福島克臣 内閣官房副長官補付内閣審議官)何より重要なことはテロを未然に防ぐことですので、平成16年12月、内閣官房長官を長とする国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部において未然防止に関する行動計画を策定しました。具体的には出入国管理及び難民認定法の改正、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の改正などによる対策を講じております。また、内閣官房分析官をおき、総合的かつ高度な評価、分析を行っております。昨年12月、内閣総理大臣が主宰し、全閣僚による犯罪対策閣僚会議において決定された犯罪に強い社会の実現のための行動計画2008の中にもテロ対策を盛り込んでいます。

詳しい議録(平成21年2月19日第1号)を観覧は、こちら

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